ガンガク2002


■11月のガンタマ日記へ続く■


10月31日(木)
およそ五百年前の十月も同様だったに違いない。
「冬の色はまだ浅草のうら枯に秋の露をも残す庭かな」
(<修験道本山派大本山>聖護院道興/廻国雑記)

「浅草蔵前史」の著者が
「セルロイド史」を書いていることを知った。

10月30日(水)
ようやく高田馬場「純連」の醤油ラーメンを食べた。
帰りに前から気になっていた
ガラス張りの古書店五十嵐書店で久しぶりに古書を買う。

神田の古本市が開かれているのとは関係なく
以前買いのがした「浅草蔵前史」(石津三次郎著/著者サインいり)、
つい目に飛び込んだ「九鬼周造と日本文化論」(大東俊一著)、
思わず手が伸びた「骨董屋征次郎手控」(火坂政志)。

値段の安さで買わずに入られなかった
「古事記」(角川文庫)、
与謝野晶子版源氏物語(角川文庫全三巻)、
いちど目を通したかった安東版「与謝蕪村」(講談社文庫)。

京都書院版おもちゃ博物館<うつし絵・着せかえ・ぬり絵>は
定価千円が二百円で棚に出ていたので、
連れて帰ることにした。

しかし玩具の本は
もう少しなんとかならないものかと思う。

群青色のパステル銀河を放電する
まりのるうにい装丁のタルホクラシックス(読売新聞社)を久しぶりに見、
みすず書房のテヤール・ド・シャルダン全集が存命なのを確認した。
反対側には「ルドルフ・シュタイナー雲海」が拡がっていた。

ここの書店ではコンクリート打ちっ放しの内装に
高い天井まで造りつけのスチール棚と
特別の古書を入れる美術館のようなガラスケース
そしてクラシック音楽が流れていたのが印象的。
地下は国学書の巣窟であった。

早稲田から江戸川橋に抜け、
<白鳥橋>をわたり、
出版銀座地帯の帰宅社員の真ん中を突っ切り、
後楽園前を横切り、
秋葉原まで出て、地下鉄で戻ってきた。
途中マフラーをしている人を何人も見かけた。

10月29日(火)
紅葉には遅く
しかし蕎麦にはまにあった。

中央道談合坂サービスエリアのグリコショップで
ビスコの昔のパッケージ詰め合わせと
なんと
ワンタッチカレーの甘口を買った。
さてこのカレーの味は
1.昔の味そのまま
2.パッケージだけで中身は今の製品の味
3.昔の味に近づけた今の味?
さて実際どんな味なのだろうか?

10月28日(月)
浅草はおもちゃだけでなく、
「靴」でも一大拠点である。
松屋デパートの後ろ側は靴問屋が並んでいる。
ということで今朝一番最初に来たお客さんは
シューズデザイナー嬢であった。
彼女はデザインのセンスを学ぶために
どうやらおもちゃを集めているらしい。

10月27日(日)
演劇少女が西部劇ものを探しに来た。
舞台の小道具用だという。
「アニーよ銃をとれ」を思い出した。

この目つきは
何と同じだったんだろう
と思いながら
一方で話を聞いていた。
「ジャイアント・キングジョーきれいでしたよねえ!」

「きいちのぬりえも
やっぱり大首絵(おおくびえ)がいいねえ」
大首絵とは役者や美人などの顔を強調して大きく描く手法。
写楽を思い浮かべればいい。
「全身が描いてある物よりも
やはりきいちでも代表作は
大首絵だよ。
ぬりえは美人画なんだ」
ぬりえは美人画、大首絵かな

浮世絵コレクター氏がそっと僕に教えてくれた。

10月26日(土)
どんなにお金があっても
コレクションは揃えることができない。
絶対的権威を持った中国の皇帝たち
独裁者
近代の資産家たち・・・・・・
それが「骨董」というもの。

辛亥革命のさなか
中国が西欧の列強に蹂躙されていく最中
明治の美術家「岡倉天心」は
中国歴代皇帝が愛した美術品を巡る
攻防を眼前に見た。
そのあたりのことは僕の「骨董魔術論」で書いた。

さて時代が変わって
いま我々は何章目かの骨董のドラマを見ている。

10月25日(金)
昨日は夜、
京都のアーストロン君と
入谷駅側の洋食屋よしむらへ行った。
根岸の香味屋に比べ実用的な店だと思う。

大判の箱に入った巻き玉ピストル
ホームページのリンクの不備
などを整備していた。

箱に入った大きなピストルが出てきた。
そういえば僕が店を始めた1988年頃
よく駄菓子屋に残っていた。
巨大である。
棚の上で異彩を放っていた。
そしてなによりも製造元は「ブ」である。
いちおうプラモデル。高さ61センチ、古典名銃シリーズ、当時定価\2500

10月24日(木)
かっぱ橋で「カタログケース」を購入。
さっそく女の子用コーナーを作る。
ぬりえにスケッチブック、醒めていても見る佳き日の夢

常連氏が買ってきてくれた「おでん」を食べながら
雑誌フィギュア王の広告を批評しながら
食玩の出来を採点していた。

10月23日(水)
近所にできた中華料理店でお昼。
四国生まれの友達にメールを書いていたら
一度連れていってもらった讃岐うどんの店へ
また行きたくなった。

不況のせいか
外出せず家で用事を済ます人が増えているらしい。
家を「カフェ風」にしたりする人もいるようだ。
「駄菓子屋さんにしたい!」
そんな人のためにもレイアウトの試行錯誤をしている。
おもちゃも集めるだけでなく、
飾るともっと楽しいことに気づいて欲しい。
ダンボールに入れても、寂しい。

10月22日(火)
nifty年末年始用協賛企画を作っていました。
niftyの会員さんはすごくお得なことがあります。
しかし、一日つぶれたああ。

怪鳥出現!!
CNNによればアラスカで怪鳥が目撃されたという。
詳細は→

10月21日(月)
トイミーティングの話。
駄玩具の話。
東京のマニアの話。
語りてやまない大人の時間・・・・・・

『愛称:ソフビの冷蔵庫』
空想店内の名糖牛乳の冷蔵庫を開けるとソフビの匂いがする。


今日の収穫は
閉店間際友達からの電話
「英知は温存される」

以前失敗したレイアーを使ったデザインの実験が
成功したこと。
年末用レイアウト変更を思いつく。

10月20日(日)
時々雨が降る。
うかうかしているとすぐ年末になりそう。
もうすぐ10月も終わり。
なんだかあたまが痛い。
ふう。
気分転換に眼鏡を変えてみた。

10月19日(土)
吾時ニ旧玩ヲ不知

知らない人はとても愛好家とはいえない
ブリキ病患者の総本家
原会長率いる
J・T・C(JAPAN TOYS CLUB)唯一のソフビ派氏が来店。

そこで問題です。
エッヘン。

ブルマァクの品質管理のずさんさを示す例を
怪獣ソフビの名前で二つあげて下さい。
ひとつはわかるでしようけど、
もうひとつはほとんど気づかないでしよう。
ずさんといわずになんと言いましょう?


よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜く考えておいて下さい。

僕も含めてみんな長いこと
「珍色」は
品質管理に甘い時代のせいと思ってきたりしたけど、
いやいや違うんだなこれが。

以前に名古屋の「ゲイト」さんが
「ライダーのスタンダードには色違いはない」といっていたけど、
これは卓見でした。

本日はこれまで。

10月18日(金)
そんなに古いものではないけれど
名糖牛乳の牛乳用冷蔵庫(四角くて透明)を
飾りました。
店に来たお客さんに牛乳を飲んでもらうため?
いいやいや、違います。
ケースの中に怪獣のおもちゃを飾るんです。

昨日のクイズの答えです。
ぬりえのきいちの版元「石川勉強堂」は浅草にありました。

俗に大物と呼ぶ金属玩具(ブリキ)
セルロイド、
それ以外の小物、紙製(プロマイド、ぬりえ、絵本、うつしえなど)、食玩
なんでも浅草なんですね。
やはり製造問屋が集結していて
職人や印刷所も周辺にある浅草蔵前が
おもちゃには最適な場所でした。
それに江戸っ子気質も大事なおもちゃのソウルなのは
言うまでもありません。

大阪や名古屋にぬりえや紙もの問屋がなかったかといえば
全くなかったわけではないと思いますが、
九割以上は浅草でした。

食玩って言い方は戦後すぐから在りました。
戦前からかも知れません。
何を売っていたのでしようか。
しるこ菓子(すごいですねえ)、
のしいか、
につき(わかりますか?)、
ドロップ、
ラムネ菓子、
あんず、
あんこ玉(今でも大好物です)、
風船ガムなどです。
駄菓子屋で売っていた食べられる菓子全般ですね。
これらの製造元も浅草周辺に集まっていました。
まさに「浅草玩具生命体」ですね。

10月17日(木)
永遠の子役シャーリー・テンプルちゃんが
60年代の女の子用おもちゃの
イメージの源泉になっていたことがはっきりした。
きいちのぬりえも
ミルク飲み人形も
企業用キャラクターも
テンプルちゃんぬきでは語れない。
不二家の(フランス)キャラメルのパッケージにもなったテンプルちゃん

ぬりえの版元(メーカー)はどこにあったのでしょうか?
A やっぱり浅草でしよ
B 大阪もお忘れなく。ぬりえは大阪ですぞ。
C ぬりえは全部名古屋に決まっています。
答えは明日。

10月16日(水)
浅草橋でショーケースを見る

日本橋たいめい軒で
ハンバークステーキを食べる

八重洲ブックセンターで本を購入
論語(初体験)
王朝物語秀歌選(上下)
・・・「源氏物語」登場歌が斯くも優秀とは不勉強であった

東京駅まで散歩
夜はジーコジャパンをテレビ観戦

言葉は春の花の、
木々の梢ににほひを残し、
心は秋の月の、
千里(ちさと)のほかまでもくまなかるべし。
色を知り、
情を含む家に、
いづくにかこれをもてあそばざる。
(源氏物語歌合仮名序)

10月15日(火)
若い女性が来て
悩んだあげくに買ったメンコは
「オバケのQ太郎」でした。

「陋巷に在り」全十三巻読破
孔子が祭司集団の出身者で
彼の思想がその近代的超己であったとする提案には
惹かれるところがあった。
顔回が主人公はご立派。
国家儒教ではない「真の孔子像」
論語を深読みしたくなった。

10月14日(月)
同じ町内に住む幼なじみが店へ顔を出した。
「浅草の人がパリラ売っちゃったって言うからさあ」
といいながら。
「あれ、なんだあるじゃん、そんなわけ無いだろうと思ったけどさ」
そう、僕はオートバイ「パリラ」を売っていない。
ずっと持っている。
そう、この1956年イタリアミラノ生まれの駿馬を。
たとえ走れなくなっても、僕が乗れなくなろうとも。

若い女性が来て
「メンコの山」と十五分くらい格闘した。
さて彼女の買ったメンコは次のうちどれでしょう。
(1)マグマ大使
(2)怪傑ハリマオ
(3)ウルトラQ
(4)オバケのQ太郎
(5)サイボーグ009
答えは明日!

10月13日(日)
秋晴れ。
江戸一の俳人其角は何をいってたかなあとみれば、
かくの如し。
尾上(おのえ)とは山の頂。
『秋の空尾上の杉に離れたり』

こんな日は
「ぬりえの美術館」まで散歩するのがよろしかろう。
行ってらっしゃい。

10月12日(土)
新潟からオバQマニアの住職が来た。
久しぶりである。
いいときに買っていたよねえ
なんて話しながら。

秋晴れ。
古代人はココロと空を関連づけていたようだ。
空模様と心模様は通じるものがありそうだ。
波ひとつないような穏やかな空というときは
観測者の心の状態も暗示している。

10月11日(金)
ブルマァクのホーロー看板を久しぶりに店の入口に飾った。

しばらくブルマァクに触りたくなかったのだが、
まあもういいだろうと言う感じ。
おもちゃ屋なのだし、らしいかな。

首の後ろに熱いタオルをあてると
「ホ」っとする。
ヘアサロンでやってくれた。
友だちに教えてあげようっと。

店の入口においてあるサンタクロースの人形に
今日から灯りを入れることにする。
今年はクリスマスをながーく楽しみたいもの。

10月10日(木)
やはり紙ものは見えるようにしないと
良さがわかってもらえない。
紙ものはどうしても重ねる傾向にあるから。
ぬりえを前面に出した。
女の子用約十八種類。
男の子用約十四種類。
これらを全部天井から下げてみた。
それからセルロイドの下敷きのうちキャラクターものも
ほぼ全種類約五十枚、並べてみた。
ぬりえの滝
セルロイドの島。

面白さは自分で解かないとわからない。
おもちゃも同じ。

10月9日(水)
直観と美が今日一日あなたの側にいますように。

10月8日(火)
映像屋の友人と土俵のあるちゃんこやで食事。
友達はジン僕はコーヒーを飲みながら
遅くまで話をしていた。
水の中をスイスイ泳ぐように
話は尽きることなく自由に飛んでいた。

もしも星が千年にひと夜だけ現れたら、
さぞかし人間は信じて崇め、
ひとたび示された神の都の記憶を
幾世代ものあいだ持ちつづけるだろう。
ところが毎夜これら美の使節は立ち現れて、
その訓戒の微笑で宇宙を照らしてくれるのだ。
(エマソン論文集/エマソン/岩波文庫)

星に関する多くの記述の中で最も引用されることの多い一文。
「星の作家」稲垣足穂も採用した。
エマソンはアメリカの最深部に位置する神秘的詩人、思想家。
ボストンの人。「森の生活」ソローの師。
ハーバード大に縁が深い。
日本でも大正年間ブームがあった。

10月7日(月)
連日各地のトイショーなどで
「復刻版」が大暴落!!!

一時は暴騰していたいわゆる「おもちゃの復刻版」
とくに「ブルマァクの怪獣人形シリーズの復刻版」が
どの会場のディラーブースでも、のきなみ売れ残り。
そして価格を下げた。
それでも売れず、秋風が吹いている。
二千円を切っても売れ残る店が続出していた。
高いと言われるメガロ、メカゴジラでも
五千円を割っていた。

実はこの「復刻版不振現象」は今年になってから
より具体的になりだしていた。
ヤフーオークションなどでも
復刻版関連商品はまったくと言っていいほど
入札なしが続いていたからだ。

「言いたいことは山ほどあるが・・・・・・」
と前置きして空想雑貨店主は話した。
「ひとことですますなら
マニアもショップもブローカーも経験が浅かった・・・・・・」
「結局一人の男が持ち出した
純粋さを装った狡知、妖言にふりまわされていたんだから」
「『純正』と『復刻』というふたつのサイクル、闘いを体験して
ホンモノに目覚め、
人ははじめて『生粋(きっすい)のマニア』となることができる」

10月6日(日)
紅葉の声を聞き始める。

ぬりえがよく売れています。
思うに
「きいち(ぬりえの巨匠)の博物館」が最近できたことと
関係あるのでしよう。
そして全般に比較的手ごろな価格(まつおのぬりえで1500円平均)だからかな。

10月5日(土)
メンコなどの紙モノの整理法にめどが立ってきた。
整理できたわけではなく、
整理のうまいやり方がわかってきたと言うことです。
あとで「駄菓子屋しよう」のコーナーにまとめます。

昨日夕方おもちゃ関係者が来た。
久しぶりに「意欲」を見た気がする。

10月4日(金)
テレビ局の美術の人が
ネタを探しにやってきた。

通販でお買い物をした方に
アナタにとってヒーローはというアンケートがある。
しゃれた答えがあった。
「主人」。
さすがにお買いあげ商品も「渋い」、「通好み」。
ガラス製のままごとセットである。
僕とほぼ同い年の女性だった。
ご主人様によろしく。

10月3日(木)
気が付いたらガンタマ日記をまる四年も書いていた。
いよいよ五年目になる。
webはじめて五年目に突入と言うことになる。

素材。
実験用データー。
何年かしたら日記を分析してみて下さい。

一茶が俳人一茶であるためには
「軽うく」突破しなければならない。
『秋風やのらくろ者のうしろ吹く』

10月2日(水)
発表できない「いいニュース」が届いているのだが、
ほんとにオメデトウゴザイマス。
ちゃんとおもちゃやってる人は
おもちゃの神様が見ているんだろうな。
大事にしてあげて下さい。
今度は僕らに「福」を分けてね。

体調がいまいちだった。
本を読む。
陋巷に在り(8)酒見賢一<新潮社>

10月1日(火)
戦後最大の台風。
どこへも出られなかった。

たぶん卵などを入れるプラスチックの容器に
メンコを整理してみた。
黒い容器なので見ばえもよい。
しかも卵を入れる四角い穴のところに
メンコが十枚くらいおさまる。
容器自体も軽い。
値段も安い。
まったく別の用途につくられたものだけど
メンコの整理に使えます。


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